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臨界期とは
人間の幼・少年期は何もせずに自然の成り行きに任せておけば良いのかというと、そうとも言えない課題があります。一つは睡眠負債の問題ですが、これについては、別項に述べていますのでここでは触れません。もう一つの課題、それが臨界期の問題です。臨界期とは「発達過程において、その時期を過ぎると、ある行動の学習が成立しなくなる限界の時期」(大辞林)という意味です。言い換えますと、人間の脳には様々な能力が備わっていますが、その能力を学習できる(身に付ける)適切な時期があり、それを逃すと、いくら努力しても限界があるという子供の脳が持っている発達のメカニズムを表した言葉です。例えば、人間の言語能力の臨界期は9~11歳までと言われていますが、この時期をオオカミに育てられた少女は救出後、人間に育てられてもカタコトの言葉を話せるまでにしか成長できませんでした。又、絶対音感(音を聞いただけでその音階が判る能力)は、3~6歳にトレーニングを受けないと身に付かないと言われています。逆の言い方をすれば、その能力を最も獲得しやすい時期が臨界期であるとも言えるわけです。学力という立場からこの二度と来ないゴールデンタイムである臨界期を考える時、心して考えなければならないのが思考力にも臨界期があるという事実です。
2006年4月、米国国立精神衛生研究所の研究データにより思考回路網作成は、最長でも12歳(早ければ7,8歳)までで、それまでに使われなかった、(使われることが少なかった)回路は不要だと判断され消滅させられてしまうことが判明しました。つまり、思考力の臨界期が12歳までであることが明らかになったのです。思考力は学力の中核を占める能力です。この12歳までにどこまで豊かな幅広い思考力を養うかが、受験をはじめ将来の人生に大きな影響を与えることになるのです。ところが、思考力の臨界期の存在が明らかになったのが最近のため、日本では、それを考慮せずに様々な学習法や受験勉強法が、すでに普及し実践されています。これは子供たちにとって大変危険なことです。今まで、良いと思われていた学習法が、実は思考力の成長を妨げる学習法であることが少なからずあるのです。例えば、高速計算・徹底反復の学習を12歳までにさせると、熱心にやった生徒ほど考えることを嫌がります。私の経験からも小学校時代、今、はやりの〇〇式教室で、熱心にやった生徒は中学で思考力を求められる問題で伸び悩みます。思考力の臨界期は二度と来ない思考力をつけるゴールデンタイムでもあります。生命の成長の法則に沿った学習こそが大切です。それこそが子供の豊かな未来を約束してくれます。
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