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睡眠の大切さ
ヒトの「脳」は夜に眠り、日中は覚醒して活動します。
脳の「眠り:夜」と「覚醒:日中」で成り立つ、地球上の一日の生活を24時間で規則的に営むためにヒトは概日リズムと言う「体内時計」を身につけました。
この体内時計は、ヒトの身体を構築する37兆個の細胞の一つ一つに至るまでその機能を調節する指揮者の働きを持っています。
なので、この時計が狂ってしまうと、ヒトの心(脳)と身体のバランスが崩れ、生活はバラバラになります。
毎日新しいことを学習し続ける子どもの脳はエネルギーや神経伝達物質を大量に消費しながら、更にどんどん発達・発育しなければなりません。そこで眠りの出番です。エネルギーの大量消費に伴う老廃物を洗い流して脳内を清潔にし、使った神経伝達物質を補充して、脳の神経細胞が次の日も元気で働きやすくするのが眠りの仕事です。
子どもたちの脳が「ごみ屋敷」にならないようにきれいに清掃し、エネルギーや神経伝達物質が不足しないように補充しておくのが眠りの仕事です。だから子供には、大人よりも長い十分な睡眠時間が必要です。
眠りの仕事でもう一つ大事なことは、「脳を育てる力」です。
海馬と言う脳は、新しい知識を蓄えるために最も大事な脳で、唯一細胞分裂して大きくなります。質の良い眠りはこの海馬の発育を助けて大きくし、睡眠欠乏や質の悪い眠りは海馬のサイズを小さくしてしまいます。
子どもは何時間眠ればよいか?と言う質問はしばしば受けますが、乳児期から小学校低学年にかけては、夜の睡眠だけで平均10±1時間が必要(夜間基本睡眠時間)で、昼寝は、また別の眠りです。昼寝を含めた一日の「睡眠時間が足りていればよい」と言うものではなく、質の良い睡眠には次の三つの条件があります。
1)睡眠時間帯:夜7時から朝7時までの間に夜の睡眠を取ること。
2)睡眠時間:朝7時までに途中目覚めることなく10±1時間の睡眠を取っておくこと。
3)生活リズム:眠りにつく時間と起床時間がいつも同じ時刻で、前後30分以内に収まること。
言い換えると、夜は8時~9時までにほぼ同じ時刻に眠り、途中で目覚めることなく朝6時~7時までのほぼ同じ時刻に起床するまで、10時間程度の睡眠を取っておくことが「質の良い眠り」の条件です。
質の悪い眠りとは、この条件から外れる睡眠を指します。具体的には入眠時間が10時以降の夜更けになり、起床時間が朝7時よりも遅くなる、夜中に何度も目が覚める、夜間睡眠時間が9時間よりも短い、眠りにつく時間や起床時間が60分以上ばらついているリズムは質の悪い睡眠になります。
規則的で質の良い眠りが、質の良い覚醒の基盤です。
このリズムを制御する中枢の体内時計(視交叉上核)の働きは、ほぼ生後2歳ころまでに完成してしまいます。夜更かしは子どもたちの体内時計を最初からずれた状態で完成させます。どんなに大人たちに事情があっても、子どもたちの生活を大人たちと同様の「夜型生活」に引き込むのは、将来必要のない苦労を子どもたちに背負わせることに繋がります。夜更かしで体内時計がずれてしまう質の悪い睡眠では、脳の認知機能が低下し、学校社会生活に適応できず、発達障害、不登校、ひきこもり、うつ、の背景となり、将来の糖尿病や心臓病など成人病の素質を作ります。
小学生までは、夜10時過ぎにしか眠れないお子さんは脳の働きに負担をかけるもとになりますので、将来にわたる心身の発達に決してプラスにはならないことを知っておいて下さい。
ただ、中には保護者の様々な努力にもかかわらずどうしても眠ってくれない、入眠困難な素質を持ったお子さんがいます。このような場合には、子どもの睡眠に詳しい小児・小児神経科医や内科医、児童精神科医をできるだけ早く受診されるようお勧めします。
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